不妊治療|不妊症の原因や治療法

不妊治療(原因や治療法)

不妊症とは?

不妊症とは、避妊をしない自然な夫婦生活で2年以上経過しても妊娠しない状態をいいます。結婚したカップルの10祖に1組の割合で不妊症に悩んでいるといわれています。
現代に不妊が多い理由

不妊のパターンは3つある

妊娠成立のしくみ図解不妊症には女性の側に原因がある場合、男性の側に原因がある場合、両者に原因がある場合の3つのパターンがあります。
男性の側に問題がある場合は無精子症や、精子の数が少なかったり(乏精子症)、運動率(精子無力症)が悪かったり、奇形が多かったりなど、原因は精子に限定されます。
それに対して、女性の側の原因は、無排卵、子宮の炎症や筋腫、子宮内膜の発育不全、卵管が狭い、精子との不適合などさまざまです。また、流産や早・死産を繰り返してしまう不育症なども、受精卵が着床したあとの子宮内に問題がある、と考えられます。

出産年齢とともに不妊率も上昇傾向

女性ホルモン分泌量の変化現代に不妊が多い原因として今いちばん問題になっているのは、女性の晩婚化です。35歳以上の高齢初産も年々ふえる傾向にありますが、年齢が高くなるほど不妊のリスクも高くなります。
30代後半になると卵巣機能が低下し始め、卵子の状態も悪くなるので妊娠率はぐっと低下します。
子宮筋腫や子宮内膜症など不妊の要因となる病気にかかる確率も高くなります。出産を考えるなら、早めに妊娠計画を立てたり、婦人科で検診を受けたりするといいでしょう。

多様化する不妊治療

体外受精の方法図「もしかしたら不妊?」と悩み始めたときにまず訪れるのは、婦人科の病院でしょう。最近は不妊治療に力を入れている病院がふえてきました。婦人科ではさまざまな検査を行い、不妊の原因を探ります。そこで原因がはっきりすれば、症状に合わせて、子宮や卵管などの手術をします。また、排卵誘発剤を使用したり、人工授精を行ったり、治療をします。近年では体外受精顕微授精などの高度生殖医療技術も進み、不妊治療の幅は広がってきました。

原因不明の不妊が全体の約3割

さまざまな検査の結果、男性、女性のどちらの側にも原因が見つからなかった場合を機能性不妊といい、不妊治療をしているカップルの約3割がこれにあてはまります。中には何年も不妊治療を行っているにもかかわらず子宝に恵まれないというカップルもいます。
不妊治療を始める際に

段階的にステップアップ

治療は段階的にステップアップ

不妊治療を始める際に、まずいちばん最初に医師が考えるのが、患者さんの年齢の問題です。年齢が高ければ、治療にそう時間をかけてもいられません。つまり、患者さんの年齢しだいで、治療の進んでいくペースに違いが出てくるということです。28歳以上の患者さんの場合には、なるべくペースアップしていく方法をとるようにしています。それよりも年齢の若い患者さんの場合は、比較的ゆっくりと治療を進めていきます。
しかし、若いからゆっくりやろう、というだけではありません。焦らずに治療を進められるメリットというものもまた大きいからです。第一ステップでは検査とタイミング指導など、第二ステップでは排卵刺激と人工授精など、そして第三ステップでは体外受精と顕微授精など、という具合に、治療の内容もステップアップいきますが、それと同時に治療にかかる費用と肉体的な負担が大きくなります。段階的にステップアップしていく治療の進め方は「経済的負担・肉体的負担が少ない」ということと、治療に対して患者さんが納得しながら次のステップに進めるというメリットがあります。

治療にかかる時間

治療にかかる時間不妊治療には比較的長い時間が必要です。ひと通りの検査が終わるのに約2~3か月かかります。その後の治療期間は人それぞれです。時間をかければかけるだけよい効果が得られる、というものでもありません。
不妊という病気は複雑でありながら治療法が少なく、なおかつ、夫婦関係のみならず、種々の人間関係を巻き込み、解消に時間が必要な病気です。ひとことで不妊症といっても、その原因も治療法も、人それぞれに違います。それぞれ異なる不妊原因を、数多くの検査を行いながら、まるで「からまった糸をほどく」ようにしてさぐっていきます。

不妊原因を解消後に妊娠へのチャレンジ

原因がわかると、今度はその原因のひとつひとつを治療していかなくてはなりません。すべての不妊原因が解消されてはじめて、妊娠へのチャレンジが始まります。しかし、ここからの道のりにもまだまだ時間がかかります。なんといっても、妊娠のチャンスは年に12回だけです。また、いったん治った病気でも、なかには再発してしまうものもあります。毎月、「月経の到来」というかたちで、答えをつきつけられる不妊治療は、患者さんやその家族にとって、ほんとうにつらいものであると思います。

経済的な問題

精巣精子採取法不妊治療にはとかく「時間がかかる」という印象が持たれがちですが、次に連想されるのは「お金がかかる」という点だと思います。たしかに、不妊治療は長期にわたる場合が多いために、費用も多くかかるケースがみられます。そして、その多くが、体外受精や顕微授精といった「高度治療」にかかる費用です。
これらの治療には保険がきかず、先端医療であるために高額な費用が、自費診療になってしまいます。しかし、最近になって、ようやく地方自治体単位で補助金制度が設けられるようになりました。
月ごとの投薬にも、保険のきくものときかないものがあります。これには、投薬の回数や期間に保険の紆約があり、すべての投薬を保険適用にすることができないといった事情が理由にあります。また、病院によって保険診療の解釈に違いがあり、これが病院ごとの料金に格差が生じている原因になっています。

肉体的な問題

ほかにも、からだへの負担、という問題もあります。これはおもに、薬の副作用や検査時の痛みなどですが、なかには「こんな治療がいつまで続くのか」といった心埋的な負担も、治療の重い足かせとなります。
不妊症には心の問題、つまりストレスも大きな影響を及ぼすと考えられていますから、このような心の負担はできる限りなくして治療を受けていただきたいと思います。検査や治療時の痛みは、避けようがなくどうしようもありません。しかし、せめて薬はほかのものに替えてもらう、治療の期間はこまかく医師と相談していくなど、先の見通しも含めて、医師と連携していくことがたいせつです。

仕事と通院の調整

仕事と通院の調整今後の治療のなかで大きな問題となってくるものに、仕事との両立があります。たとえば、治療のための通院ですが、AIH(配偶者間人工受精)ひとつを例にとっても、一回行うのには3、4回程度の通院が必要になります。AIH一回といえば、約1か月間くらいの期間で行われるたえめ、その間に4回も通院するということになれば、仕事を持っている人には大きな負担になるとおもいます。しかもこの4回の通院は、実際には二週間くらいの間に集中して行われます。この時期は仕事より不妊治療のほうを像先して考えなければならないのかもしれません。
仕事と治療の両立については、まず主治医に相談してみましょう。そして、薬を何回分かまとめて処方してもらうとか、通院しなくても自分でできることは自分でするようにするとか、若干でも通院を減らすことができるよう、スケジューリングしてもらうとよいでしょう。

医師と夫婦、三位一体で不妊から妊娠へ!

いざ治療が始まると、大変なことばかりあるように思われるかもしれません。不妊の程度が軽いにしろ重いにしろ、「赤ちゃんがほしい!」という思いを持って、ぜひ不妊治療を乗りきってください。無理は禁物ですが、いっとき、継続してがんばることも必要です。いつの日か赤ちゃんをその手に抱くために、夫や妻、医師を信じてがんばって治療していきしょう。

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